区議会 第1回定例会 予算特別委員会 都市整備委員会所管質疑を行いました。

2022年第1回定例会 予算特別委員会 都市整備

金井えり子

都市整備所管の生活者ネットワークの質問を始めます。

2月末に春の火災予防運動として世田谷しょうぼうというチラシが回覧板で回ってきました。令和3年の世田谷消防署管内の火災件数は100件(前年比プラス18)、死者数3名(前年比プラス3)。住宅火災の件数は、64件焼損床面積及び焼損表面積も過去5年間で最多となりました。もちろん乾燥している季節、時期ということもありますが、火災のニュースが本当に多いと感じていました。

私が住んでいる太子堂若林地区は木造住宅密集地域ということで、不燃化特区として様々な取り組みが行われています。燃えにくい建物への建て替え、狭い道や行き止まりなどの解消も少しずつすすんでいるようです。太子堂・三宿地区は、終了したと聞いていますが、他に世田谷区の中では、区役所周辺地区、北沢3、4丁目地区、北沢5丁目大原1丁目地区などが不燃化特区となっています。①この不燃化特区について、現状はどのようになっているのか、今後の展望も併せて伺います。

次年度の新たな取組みもあるとのこと、よろしくお願いいたします。この不燃化特区は、お知らせなども多く届き意識啓発にもなっていると思いますが、不燃化特区ではないところでは、どうでしょうか。住宅が密集している所や消防車などの入れる道、住民の避難経路の確保など心配なところもあるのではないでしょうか。②そういった不燃化特区以外で火災等の危険度が高いところの状況について伺います。

「地震に関する地域危険度」の火災危険度についてうかがいましたが、不燃化特区以外でも火災危険度が高い地域が8町丁目あるということですね。昨夜の地震の影響による火災の情報は確認しておりませんが、震災時の家屋の損傷なども火災によるものが多いと聞きます。また大きな震災でなくても大規模火災に備え、消火活動や燃え広がりを防ぐための対策は必要です。③不燃化特区以外の火災危険度が高い地域への不燃化の取り組みについて伺います。

不燃化の取組み、様々行われているようですが、地域全体として危険度などのこうした数字に上がってこないところもあります。区民の防災意識向上は、どの地域にも必要ですので不燃化特区である無しにかかわらず注意喚起に努めて頂くよう要望します。

先日、実際にご自宅の火災で焼け出されてしまった方のお話を伺いました。区施設では2泊3日くらいしか受け入れが出来ないそうです。町会などが持っている町会会館などは、5日くらい、その後は、ご厚意によって延長させてもらったということでした。普段区民が使っている施設を住居として長期間貸すことはできないと思いますが、被災者は、それぞれご事情も違います。ご高齢の一人暮らしや、ご親戚など頼るあてがない、逆に家族が多い、生活が厳しいなど次の住居をすぐに見つけることが難しい方もいらっしゃいます。④火災などで突然住居が無くなってしまった場合、区には、どのような支援があるのでしょうか。

先日お話を伺った方は、周りの方々の協力で何とか過ごせたが、区営住宅もない、都営住宅もむずかしいなど区が用意しているものにあてはまらなかったようでした。ただでさえ、落胆している時に力になってもらえない、区民がこんなに困っている状況を何とかするのが公の仕事ではないでしょうか。⑤もちろん行政ができることには限りがありますが、民間との連携など何か考えられないものでしょうか。

本当に住まいは生活の基本です。連携深めていただきたいと要望いたします。

民間との連携ということでは、昨年の11月から始まった「世田谷区空き家活用ナビ」などがあります。ここと居住支援がつながる可能性はないでしょうか。タイミングなどもあると思いますが、空き家として、次の目的が決まっていない所や少しの間貸し出せる物件などとうまくマッチングできたら、無駄なく活用できるのではないかと考えます。⑥火災などで被災した方への緊急的な居住支援について何か取り組めることはないのでしょうか。伺います。

上用賀4丁目の用賀住宅の建て替え準備で、住んでいた方がみなさん転居されました。入口が封鎖され、中の街路灯なども消え、真っ暗になっています。児童館が向かいにあるということもあり、以前は敷地内の公園などが子どもたちの遊び場として人気があったようです。今は、フェンスが立てられ入れなくなり、夜になるとゴーストタウンのようで防犯上もとても不安だという声がありました。

この建て替えについて、建築構想のお知らせという看板に令和3年8月21日上用賀アートホールで説明会を行ったとありました。近隣にお住まいの方に情報が届いていなかったようです。大きな建物が建て替わるということは、周辺への影響も大きいと思います。⑦住民への説明など丁寧に進めていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。

建築構想のお知らせの隣に「風景づくり条例に基づくお知らせ」という看板がありました。既存樹木伐採図が載っており、銀杏の木の伐採計画があるということで、とても残念に思いました。樹木の成長には時間がかかります。新しく別のものを植えればいいというものではありません。区所有の建物や土地でなくても、大きな木を切ってしまうということは、世田谷区のみどりが失われることです。みどり33のためにも樹木の保存は重要と考えます。区には、昭和52年に300本からはじまった保存樹木制度があります。現在は、1,800本を超えていますが、ここからがなかなか増えないと聞いています。⑧保存樹木になると3年おきの剪定や樹木医の診断、アドバイスなど具体的なメリットがあることを周知し、保存樹木制度の活用を増やすとよいと思います。見解を伺います。

東京新聞の3/2の記事に、神宮外苑の樹木伐採、反対署名5万1,536人分を都に提出とありました。説明もなく再開発のため1,000本近くの木を切ってしまうこの計画は、「歴史・文化的景観の破壊である」と多くの反対の声が集まりました。この問題には、3人の高校生も「私たちの未来を奪わないで」「未来のために今あるものを守ってほしい」と、チラシ配布や署名活動などを行っています。地球規模の大きな環境問題からの視点、若者の切実な声です。緑と共存することは、過去の歴史、現在の生活への癒しやうるおい、未来の環境を守ることにつながります。

みどりは面積で指標を示すことが多いといいます。世田谷区の基準は、みどり率となっています。地表を覆う緑の面積が地域全体に占める割合を表す緑被率などと比べ、緑の部分に公園区域、水面までも入れるという少し甘い基準です。⑨みどり率を2032年までに33%にすることが到達点で、2018年~2027年の10年間で29%にするという目標ですが、R3は24.4%という報告でした。H28の25.18%から減ってしまっています。要因など伺います。

農地の宅地化などは、大きな不安材料ですね。区のみどりに大きく貢献しているのが公園です。先日も4つの公園新設のための条例改正があり、少しずつ増えているようです。⑩今後公園をさらに新設していくとのことですが、公園整備の取組について伺います。

みどり33の達成には、民有地のみどりが必須です。これまでも何度か取り上げていますが、区民へのアプローチが足りていないのではないかと感じます。様々な緑化助成制度もあるようですが、活用されているでしょうか。申請しないと使えない制度なので、とにかく知らせていくというところだと思います。⑪みどり33にむけて区民一人ひとりができることから始め、少しずつ意識を高めていけるよう周知していただきたいと考えます。見解伺います。

以上で生活者ネットワークの質問を終わります。