区議会 第1回定例会 予算特別委員会 福祉保健委員会所管質疑を行いました。

2022年第1回定例会 予算特別委員会 福祉保健

金井えり子

福祉保健所管の生活者ネットワークの質問を始めます。先日、区民の方々とうめとぴあを見学しました。この施設ができて2年もたちますし、健康診断などで利用しているので当たり前のように思っていましたが、一緒に見学した区民の方の中には、初めて足を運んだという方もいました。「うめとぴあと保健センターとどう違うの?」と聞かれたこともあります。見学に一緒に行った方からは、「なんだかがらんとしていてもったいないわね。」というご意見もありました。コロナ禍だからでしょうか、人も少なかったように感じました。区民が利用できる会議室などもあり、1階のカフェはオープンで居心地もよい空間です。①うめとぴあがもっと区民に利用されるよう区民へ丁寧な説明をし周知すべきと考えます。区の見解をうかがいます。

保健医療福祉総合プラザのがん相談や障がい者専門相談などはたいへん充実しています。ことにがん相談が出来るお部屋には、様々な図書もあり、少し奥まったスペースは落ち着いた安心できる空間になっていました。そのような中、精神疾患を抱えた方への相談支援が同じ部屋で行われていることが表立ってない、隠されているようにすら感じました。障がいのある方への支援は様々すすんでいますが、精神疾患のある方への支援はなかなかないと聞きます。②保健医療福祉総合プラザでは精神障がいのある方々に対しどのような支援がおこなわれているのでしょうか。現状と今後についてうかがいます。

保健医療福祉総合プラザには、福祉人材育成・研修センターがあります。福祉の人材不足は、社会的な大きな問題です。多様なニーズにあわせたサポートを求められる福祉現場、人材育成や研修は本当に重要です。③この研修センターでの人材育成、どのように進めているのか伺います。

「高齢・障害・子ども子育て・保健医療など、様々な福祉の人材育成に取り組んでいる」ということですが、④福祉人材育成・研修センターで研修を受けた方々は、現場でどのように活躍されているのでしょうか。これまでの成果など伺います。

この慢性的な人材不足を今後どのように改善していくのか、本当に不安です。国は、2022年2月から9月までの限定的な施策として、介護や保育職員の月給を9千円相当上げる補助金を各自治体を通じて申請のあった事業者に渡すとしていますが、介護職の平均年収は350万円程度であり、全職種の平均430万円以上に比べ明らかに低く、10万円増えたとしてもその差は埋まりません。世田谷区の令和4年度予算に組み込まれた介護職の住まい支援などは、今後に期待できる支援だと思います。世田谷区内に住み、福祉の仕事で暮らしていけるようなこういった支援を使い、介護現場に必要な若い方が集まってくれるとよいと思いますが、若者の人材育成は、どのようになっていますか。⑤世田谷区には、福祉の専門学校もあります。こういった区内専門学校との連携など若い方の人材育成の取り組みはありますか。伺います。

介護事業のほとんどを占めている小規模事業所は、日ごろのきめ細やかなケアを担い、なくてはならない存在ですが、どこも運営が厳しい日常です。コロナ禍がさらに追い打ちをかけ、閉じてしまう事業所もでてきています。

3年ごとの介護保険改正だけでなく毎年の改定手続きがとても大変です。先ほどあげた新たな9,000円の賃金アップのための補助金も新たな申請手続きが必要ですし、処遇改善加算の対象の事業所にしか出ないと聞いています。また何回も何回も同じ書類を書くなど、煩雑な事務に手間を取られる。というお話も聞いています。小規模事業所は事務職担当がいるわけではなく、事務作業に介護職としての時間も奪われています。処遇改善加算においてもICT化で効率的にすすめるとよいのですが、整備するにあたっての時間や人の手当が大変です。

デジタル環境整備促進事業など今回の予算にもありますが、申請の煩雑さや使える範囲、規定など面倒なことはないのでしょうか。使いやすい支援制度や助成金が必要と考えますがいかがでしょうか。

 

認知症と共に生きる希望条例ができ、希望計画を進めるにあたり開かれた令和3年度第2回世田谷区認知症施策評価委員会を傍聴しました。「古い認知症観の払拭」「認知症をキーワードに地域をつくる」委員の方々から次々とでてくるご意見に、世田谷らしい前例を超えた条例であると改めて感じました。

昨年のシンポジウムでも認知症当事者がパネルディスカッションの登壇者になるだけでなく、進行も認知症当事者で行われました。今、小中学校で認知症当事者も参加の出前講座がモデル的に始まって、大好評と伺いました。子どもたちが学び、素直に受け入れ、それが大人にも波及していくとよいと思います。

私たち生活者ネットワークは認知症希望条例ができ、誰もが自分らしく暮らしやすいまちを描けると、とても期待しています。

事故が起きた時の保険より、事故を起こさないまちづくり、何かあった時の助け合いや繋がりが重要とかんがえています。これから、認知症サポーター養成講座が生まれ変わりアクション講座として、また地域でアクションチームを作っていくということですが、そのためには、まさに地域の繋がり、区民の理解が求められます。⑦このアクションチーム、アクション講座はどのようなものになるのか、また、区民への周知やどのように広げていくのか伺います。

先ほどのご答弁にもありましたが、「世田谷 認知症と共に生きる みんなでアクションガイド」は、デザインもとてもかわいらし

く素敵です。⑧みんなでアクションガイドはどういったものなのか内容についてうかがいます。

動画などもできたとのこと、地域に幅広く伝えていく準備が整っているように感じます。

ぜひ様々な方法で「アクションガイド」の内容を積極的に周知していただきたいと思いますが、周知について伺います。

一般質問でも伺った続きですが、ヤングケアラー支援について伺います。

ヤングケアラーとよばれる子ども達の中で、相談をした経験があるのは、中高生の2割程度だといいます。ヤングケアラーは、自分中心の考え方ができない、大変さを自分で気が付けないなど、相談に繋がらない、相談しない、できないとなっているようです。立正大学の森田久美子先生は、子どもの相談力という表現をされました。プライバシーが守られ、身近な相談と解決に向けた相談とが連動するような場、必要に応じてつながれるそんな相談の場があれば、子どもの相談力も高まるのではないでしょうか。

神戸市では、令和2年に福祉局、健康局、子ども家庭局、教育委員会などからなるプロジェクトチームを立ち上げ、令和3年に子ども若者ケアラーの相談窓口や、居場所、市民向け研修会など実施しています。世田谷区では、これから調査が始まるところですが、このアンケートをきっかけに相談などが増える可能性があります。⑨区では、ヤングケアラーの相談窓口についてどのようにしていくのか、伺います。

 

相談できる場がいろいろなところに多くあるとよいと考えます。

先行事例である神戸市の相談窓口には、学校、スクールソーシャルワーカーなどからの相談が多く、小中学生の子ども本人から直接の相談はなかなか上がってこないということでした。居場所づくりも並行して進めていますが、相談窓口にというより、居場所での話から相談、解決策につながることが多いそうです。⑩相談窓口とともに安心して話ができる、交流や情報交換ができる居場所づくりが必要です。居場所づくりについて伺います。

5歳から11歳までの子どもへの新型コロナワクチン接種がはじまりました。長期的な安全性が確立されていないワクチンであり、努力義務ではないということは、しっかり伝えていくべきです。日本国内での10歳未満のコロナ患者の死亡例は3月4日川崎市で発表されたのが初めての事例です。一般的に子ども自身の新型コロナの症状は重症化しにくいとも言われています。子どものコロナ感染と重症化についてや副反応事例の数など、判断の参考となる具体的な情報を保護者は必要としています。基礎疾患がある子どもや、それぞれの事情でワクチン接種を求める声もあります。それぞれが、その子どもに合った選択肢を選ぶ、それには、選ぶ材料が必要です。

子どもとその保護者にこのワクチン接種は努力義務ではないことを明確に伝え、打つか打たないかを選べるよう正しい情報提供を求めます。見解を伺います。

 

以上で生活者ネットワークの福祉保健所管の質問を終わります。